ネット証券を利用すれば、手軽に株式投資ができますが、メリットだけでなくリスクもあります。
その1つが「信用リスク」です。これは、証券会社の破綻などによって、預け入れたお金が返ってこなくなってしまうリスクです。ほとんどのネット証券会社は、“大手”と言っても設立されてから10年以内という新興企業です。そのため、「破綻」のリスクは無視できません。特に、2008年に起きた“世界金融恐慌”以降は、金融商品に対する政府による取引規制が強まっています。それにより、それまで利益を安定して出していた証券会社でも、激しい競争において生き残りを図らなければなりません。
株式投資やFXなど金融商品を数多く提供しており、顧客から信頼されている証券会社ならば、問題ないと思いますが、収益の大部分を1つの金融商品に絞っていたり、信託保全などにかかるコストを差し置いたりする企業は警戒が必要です。
もう1つが「システム障害リスク」で、証券会社が提供する取引システムに何らかのトラブルが発生し、取引が一時的に行えなくなるリスクです。このリスクは、売買を1日で行うデイトレーダーには、取り返しのつかない問題となります。決済不能という事態は避けなければなりませんが、ダウンしてしまったらどうしようもありません。また、一番取引システムが安定している証券会社はどこか、と判断するのも難しいです。このリスクを回避するには、システム安定化を図る証券会社側の努力のみです。投資家側は、システム障害が発生しないように、ただ祈るしかないのです。
ネット証券のリスク